創業1702年江戸時代から300有余年、
日本の染物文化を現代に伝える老舗染物屋

絶景の城、米子城の城下町として栄えた鳥取県米子市。かつて、山陰一の名城といわれた米子城の外堀だった加茂川の左岸には、染物職人が集まる紺屋(こうや)町があり、伯州綿などの藍染めで賑わっていました。
松田染物店は江戸時代中期、この紺屋町に創業。以来、300年以上にわたって染物の伝統技法を受け継ぎ、現在は13代目・14代目の二世代が暖簾を守っています。
地元で染物屋といえば「紺屋町の松田」と呼ばれて長年親しまれ、昔ながらの染色法とともに、紺屋という町名の由来も今日に伝えています。

製作の手順

職人の手描きによって染め上げる「筒描き染め」を親子代々、受け継いでいます。

創業時の藍染めより始まり、明治初期からは伝統技法「筒描き染め」を継承しています。工房の近郊に米子港と境港があることから、漁船を飾る大漁旗の染物を古くより得意とし、躍動感あふれる文様と鮮やかな色が好評をいただいております。また、社寺などの幟や幕、のれん、手ぬぐいなど、さまざまな染物を手がけています。
「筒描き染め」に用いる防染糊は、のりの固さを天候によって調整するため、職人は地元の気候風土を知り尽くし、四季の移ろいや天気の変化にとても敏感です。卓越した職人の経験と勘によって、一枚ずつ真心を込めて仕上げる染物には、心の琴線にふれる深い味わいがあります。そうした豊かな表情と温かな風合いも好まれ、全国からご注文を承っております。

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